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環境にやさしい伝統工芸品15選|SDGs視点で選ぶ日常使いできる現代風アイテムをやさしく解説 | ナカハラポートフォリオ

環境にやさしい伝統工芸品15選|SDGs視点で選ぶ日常使いできる現代風アイテムをやさしく解説

日本各地の伝統工芸品は天然素材や手仕事をベースとする環境負荷を低減できるものづくりを続けてきました。資源の持続性を重視した設計や、その価値はSDGsの考え方にもつなげられます。
この記事では、環境にやさしい伝統工芸品の特徴や選び方、活用シーンを解説します。

目次

1.環境にやさしい伝統工芸品15選!有名品~隠れた名品も

日本では、伝統的工芸品が2025年時点で239品目※ 指定されており、その多くが自然素材を活かした長寿命設計や地域に根づく手仕事によって生み出されています。
ここでは、そのなかでも特に環境配慮の観点で優れた15品を厳選し、日常使いしやすい有名品から地域で愛され続ける隠れた名品まで幅広く紹介します。

(1)南部鉄器(岩手/金工)

南部鉄器(なんぶてっき)は、17世紀に盛岡を治めた南部藩が京都から茶釜職人を招いたことからその歴史が開始された鉄鋳物の伝統工芸です。茶釜づくりが武具や生活用品へ広がり、18世紀には日常使いしやすい鉄瓶が誕生し、のちに奥州地域の鋳物文化とも融合し現在の産地が形成されました。
堅牢で保温性が高く、溶けだした鉄分により湯の風味がまろやかになる点が評価され、鉄分補給と白湯の健康効果を期待して南部鉄器を日々の生活に導入する方が増えています。

工芸品の分類金工品
主な製品茶釜、鉄瓶(てつびん)、花器
主要製造地域盛岡市、奥州市
伝統工芸品指定年月日昭和50年2月17日

参考:
https://www.pref.iwate.jp/kensei/profile/1000655/1021500.html

(2)江戸切子(東京/ガラス工芸)

江戸切子(えどきりこ)は、1834年に江戸のガラス職人・加賀屋久兵衛がガラスに彫刻を施したことを起源とするカットガラス工芸です。幕末には献上品として評判を高め、明治には西洋技法が加わり、現在の精緻な意匠が確立しました。
菊や麻の葉などの文様を手作業で削り出し、同じ輝きがひとつとないことも魅力です。涼やかな光の反射や口当たりの良さにより、日常の食卓や来客時の器としてかけがえのないひとときを彩る輝きを放ちます。

工芸品の分類その他の工芸品(ガラス工芸)
主な製品食器、酒器、花器、食卓用品、置物、装身具、文具、日用品
主要製造地域江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区、大田区/千葉・埼玉・神奈川・茨城の一部地域
伝統工芸品指定年月日平成14年1月30日

参考:
https://www.dento-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/items/22.html#gsc.tab=0

(3)京扇子(京都・滋賀など/その他工芸)

京扇子(きょうせんす)は、平安時代初期に木簡を束ねた桧扇に端を発する京都・滋賀を中心に作られる扇子工芸品です。なお京扇子という品名は、京都扇子団扇商工協同組合の組合員のみが名乗ることができます。
13世紀には海外へ輸出され、後に絹扇の技術も取り入れられ、現在の多彩な形態が確立されます。現代に通ずる共通点としては、日本古来の竹の骨組みに和紙や絹を貼り、箔・砂子・上絵などの装飾をほどこすことが挙げられます。
実用品と芸術品の要素を併せ持つ機能美を感じられ、京都扇子を通じて日本古来の芸術的完成を感じられます。

工芸品の分類その他の工芸品
主な製品招涼持ち扇、儀式扇、芸事扇、飾り扇
主要製造地域京都市、宇治市、亀岡市、南丹市
伝統工芸品指定年月日昭和52年10月14日

参考:
https://www.pref.kyoto.jp/senshoku/sensu.html

(4)伊万里・有田焼(佐賀/陶磁器)

伊万里・有田焼(いまり・ありたやき)は、16世紀末に陶工・李参平が有田で陶石を発見したことから始まった、日本初の磁器として知られる工芸品です。白磁を基盤に染付から華やかな色絵まで多様な様式が生まれ、江戸期には海外輸出で高評価を得ました。
軽やかで扱いやすく、器ごとに異なる絵付けの表情が食卓を豊かにし、現代の暮らしにも日常使いしやすい丈夫さと上質感を備えています。

工芸品の分類陶磁器
主な製品和洋食器、装飾品
主要製造地域伊万里市、武雄市、嬉野市、西松浦郡有田町
伝統工芸品指定年月日昭和52年10月14日

参考:
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00325421/index.html

(5)備前焼(岡山/陶磁器)

備前焼(びぜんやき)は、平安時代に通ずる日本六古窯の一つで、釉薬を使わず土の質感と焼成による窯変を生かす素朴な陶器として知られます。江戸期に全国へ広まり、昭和には人間国宝の活躍で評価が確立しました。
硬質で吸水しにくく、料理の温度を保ちやすいほか、使うほどに色艶が増すため日常使いの器として長く楽しめます。

工芸品の分類陶磁器
主な製品食器、酒器、茶器、花器、置物
主要製造地域備前市、岡山市、瀬戸内市
伝統工芸品指定年月日昭和57年11月1日

参考:
https://www.pref.okayama.jp/page/342858.html

(6)信楽焼(滋賀/陶磁器)

信楽焼(しがらきやき)は、日本六古窯の一つで、天平期に紫香楽宮の瓦を焼いたことを起源とする陶器です。中世は水がめ、安土桃山期には茶器の名品が生まれ、江戸期の登り窯によって生活雑器の一大産地として発展しました。
薪窯による自然釉や火色など、偶然によって彩られる温かな表情が特徴で、花器や食器は素朴で扱いやすく、普段使いにも落ち着いた風合いを添えてくれます。

工芸品の分類陶磁器
主な製品花器、食器、傘立、置物、植木鉢、庭園用品
主要製造地域甲賀市
伝統工芸品指定年月日昭和50年9月4日

参考:
https://www.593touki.jp/shigarakiyaki.html

(7)輪島塗(石川/漆器)

輪島塗(わじまぬり)は、鎌倉時代に起源をもつ石川の漆器で、室町期の作例や遺跡出土品から早くから漆文化が定着していた歴史があります。木地に布を貼り、地の粉を混ぜた漆を幾重にも塗り重ねる堅牢な下地が特徴で、耐久性は漆器の中でも群を抜きます。使うほど艶が増し、傷んだ箇所は修理しながら長く愛用でき、食卓や日常の器として上質な存在感を放ちます。

工芸品の分類漆器
主な製品什器、装飾品、家具
主要製造地域輪島市
伝統工芸品指定年月日昭和50年5月10日

参考:
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kyoiku/bunkazai/mukei/1.html

(8)博多人形(福岡/人形)

博多人形(はかたにんぎょう)は、1600年の福岡城築城期に瓦職人が技法を応用して献上品を作ったことに始まるとされる陶人形で、素焼きの玩具人形から発展した説も残ります。素地の落ち着いた質感に、繊細な彫りと彩色で表情や衣の動きを写実的に表す点が特徴です。
飾る空間に柔らかな存在感を添え、季節のしつらえや贈答品として日常に取り入れやすい工芸品として親しまれています。

工芸品の分類人形・こけし
主な製品美人もの、男もの、歌舞伎もの
主要製造地域福岡市、小郡市、筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、前原市ほか
伝統工芸品指定年月日昭和51年2月26日

参考:
https://www.hakataningyo.or.jp/about/

(9)宮城伝統こけし(宮城/こけし)

宮城伝統こけし(みやぎでんとうこけし)は、江戸中期に東北の温泉地で生まれた木地玩具を起源とし、土産物として親しまれてきた民芸です。鳴子・作並・遠刈田・弥治郎・肘折の5系統があり、形や模様に個性が表れます。
頭と胴だけの簡潔な造形に素朴な描彩が映え、温かみのある表情が空間に柔らかな彩りを添えます。棚や玄関先などにも置きやすく、日常のインテリアとしても取り入れられています。

工芸品の分類人形・こけし
主な製品こけし
主要製造地域仙台市、白石市、大崎市、刈田郡蔵王町・七ヶ宿町、柴田郡川崎町、宮城郡松島町
伝統工芸品指定年月日昭和56年6月22日

参考:
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/shinsan/01kokesi.html

(10)美濃和紙(岐阜/和紙)

美濃和紙(みのわし)は、奈良時代にはすでに記録に登場する歴史ある和紙で、正倉院文書にも用いられた品質の高さが特徴です。室町期には六斉市の整備で流通が広がり、名が全国に知られました。
流し漉きによる薄く強い紙は光を柔らかく透かし、障子紙や手紙、包装など日常の扱いにも適しています。しなやかな質感が暮らしの道具に自然と馴染み、現代でも幅広い用途で使われています。

工芸品の分類和紙
主な製品本美濃紙、美術工芸紙、箔合紙
主要製造地域美濃市
伝統工芸品指定年月日昭和60年5月22日

参考:
https://www.minowashi.or.jp/

(11)越前和紙(福井/和紙)

越前和紙(えちぜんわし)は、約1500年前に紙祖神・川上御前が紙漉きを伝えたとされる、日本でも最古級の和紙です。奈良時代には写経用紙として重用され、武家の台頭とともに需要が広がりました。
コウゾ・ミツマタ・ガンピなどを使い、流し漉きや溜め漉きで仕上げる紙は強靭で温かみがあり、書道用紙や文具、包装にも扱いやすく、日常の道具に上質な風合いを添えてくれます。

工芸品の分類和紙
主な製品木版画、襖紙、印刷、免状、書道、日本画、色紙、封筒、便箋
主要製造地域越前市
伝統工芸品指定年月日昭和51年6月2日

参考:
https://story.nakagawa-masashichi.jp/craft_post/121572

(12)熊野筆(広島/文具・化粧筆)

熊野筆(くまのふで)は、江戸時代に熊野の人々が出稼ぎ先で筆作りを学び、村へ技法を持ち帰ったことで発展した筆の産地です。選毛から穂首づくりまでを手作業で行う高度な技術が特徴で、用途に応じたコシや含みを細かく調整できます。
毛筆から化粧筆まで幅広く、肌あたりの柔らかさや発色の良さは日常の書く・描く・化粧する動作に上質さを添えてくれます。

工芸品の分類文具
主な製品毛筆、画筆、化粧筆
主要製造地域安芸郡熊野町
伝統工芸品指定年月日昭和50年5月10日

参考:
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/lab/topics/20211020/01/

(13)金沢仏壇(石川/仏壇)

金沢仏壇(かなざわぶつだん)は、17世紀に加賀藩の保護と浄土真宗文化の広がりを背景に発展した工芸で、金箔を惜しみなく施した荘厳な意匠が特徴です。木地・漆・彫刻・蒔絵・金箔押しなど専門職が分業で仕上げるため耐久性も高く、長く使い続けられます。
華やかさの中に静けさを湛える佇まいは、現代の住空間にも調和し、祈りの場を穏やかに整えてくれます。

工芸品の分類仏壇・仏具
主な製品仏壇
主要製造地域金沢市
伝統工芸品指定年月日昭和51年6月2日

参考:
https://kougeihin.jp/craft/0806/

(14)燕鎚起銅器(新潟/金工)

燕鎚起銅器(つばめついきどうき)は、新潟県燕市で受け継がれてきた金工技術による銅器で、平らな銅板を打ち起こして成形する「鎚起」が特徴です。一枚の板から注ぎ口まで立体化できる高度な技術は燕ならではで、鎚目の表情や深みのある着色が独特の風合いを生みます。
保温性や耐久性に優れ、茶器・酒器・台所道具として日常でも扱いやすく、使うほど艶が増す点も魅力です。

工芸品の分類金工品
主な製品茶器、台所用品、酒器、文房具
主要製造地域新潟県燕市
伝統工芸品指定年月日昭和56年6月22日

参考:
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/chiikishinko/1293144348999.html

(15)丸亀うちわ(香川/その他工芸)

丸亀うちわ(まるがめうちわ)は、日本のうちわ生産の大半を担う産地として知られ、一本の竹から柄と骨を作る伝統技法が特徴です。竹のしなりを生かした軽く丈夫な骨組みに和紙を貼り、柿渋などの自然素材で風合いを整えるうちわは、涼をとる道具として扱いやすく、和紙の透け感が心地よい風を生みます。日常使いはもちろん、インテリアや贈答品としても取り入れやすい工芸品です。

工芸品の分類その他の工芸品
主な製品うちわ
主要製造地域香川県丸亀市
伝統工芸品指定年月日平成9年5月14日

参考:
https://marugameuchiwa.jp/

2.環境にやさしい伝統工芸品とは?SDGs観点からわかりやすく解説

伝統工芸品は、天然素材の活用や手作業中心の製造により、環境負荷を抑えた仕組みをもつサステナブルな製品です。ここでは、伝統工芸品の正式な定義、環境にやさしいとされる理由、SDGsとの関連性、価格帯の考え方を解説します。

(1)伝統工芸品の定義

日本で「伝統工芸品」と位置づけられるのは、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき、経済産業大臣が指定した品目です。指定を受けるためには、長期にわたり受け継がれてきた技術・技法を基盤とし、主要な製造工程が職人による手作業で行われていることが求められます。
あわせて、歴史的に用いられてきた原材料を主に使っていること、特定の地域に産地が形成されていることも重要な条件です。さらに、美術品としての鑑賞用ではなく、日常生活で使う実用品であることが要件とされており、地域の生活文化と密接に結びついた工芸である点に特徴があります。

参考:
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/nichiyo-densan/densan/designation.html

伝統工芸を定義する5つの要件

  • 用途:日常生活で使われる実用品であること
  • 技術・技法:主要工程が職人の手作業で行われていること
  • 歴史性:技術・技法が100年以上受け継がれていること
  • 原材料:伝統的な素材を主に使用していること
  • 産地性:一定の地域で継続的に生産が行われていること

(2)環境にやさしい伝統工芸品と伝統文化について

日本の伝統工芸品はその特徴を体現する存在であり、地域の風土に適した天然素材を選び、素材を最大限に活かす生産思想によって受け継がれてきました。
多くの工芸品は木・竹・和紙・土などの自然に還る素材を使用しているため、廃棄した場合にも環境負荷が低い点が特徴です。
また、主要工程が職人の手作業で行われることから、大量生産品と比べてエネルギー消費が小さく、製造段階での環境負荷を抑制でき、修理や塗り直しを前提とした設計思想により、長期使用が可能で廃棄量削減にもつながります。

(3)SDGsと伝統工芸品が好相性な理由

伝統工芸品は、SDGsが目指す「環境・社会・経済の持続可能性」を包括的に支える分野です。主に目標12(つくる責任つかう責任)と目標8(働きがいと経済成長)に対応し、現代社会の持続性における重要な選択肢として位置付けられています。

SDGs目標貢献内容
8 働きがいと経済成長地域雇用の創出、職人の技術継承を促進
11 住み続けられるまちづくり地域文化の保護・伝統技術の持続による地域活性化
12 つくる責任 つかう責任天然素材の活用・長寿命設計・廃棄物の低減
15 陸の豊かさを守ろう持続可能な資源利用(木材・和紙原料など)
17 パートナーシップで目標を達成しよう産地・行政・企業連携による文化保存と産業振興

このように、伝統工芸品は環境負荷の低減、地域コミュニティの強化、資源循環の促進という観点から複数のSDGs目標に貢献します。

(4)伝統工芸品の価格帯

伝統工芸品の価格は、大量生産が難しい分、職人の技量や経験が品質に直結し、希少性や産地の歴史的背景も価格に影響します。
以下は工芸品を分野ごとに大別した価格帯の目安です。

工芸品ジャンル代表例価格帯の目安
和紙越前和紙、美濃和紙など数百円~3万円程度
文具・筆熊野筆、奈良筆1,000円~5万円程度
木工・竹工竹細工、指物など2,000円~10万円程度
金工品南部鉄器、燕鎚起銅器5,000円~30万円以上
陶磁器有田焼、九谷焼1,000円~20万円以上
漆工・仏壇会津塗、金沢仏壇1万円~数百万円規模
その他工芸丸亀うちわ、江戸切子1,000円~50万円以上

たとえば日用品として広く流通する和紙製品やうちわのようなアイテムは手に取りやすい価格帯ですが、高度な技術を要する金工品・漆工品・仏壇などは高価格帯となるケースが一般的です。近年は、日常使いしやすいリーズナブルな雑貨から、鑑賞用の一点物まで幅広く展開されており、用途や目的に応じて選択肢が広がっています。

この多様な価格帯は、工芸品が「実用品」「文化的価値を持つ作品」の両面を持つことを反映しています。

3.環境にやさしい伝統工芸品を日常生活での利用シーン

伝統工芸品は、天然素材の使用や長寿命設計により、日常生活で環境にやさしい選択肢として活用できます。
ここでは、ミニマルデザインの工芸品、用途別の使いやすさ、竹・木・和紙といったプラスチック代替素材の活用例を解説します。

(1)現代の暮らしに馴染むミニマルデザインの工芸品

現代の住空間では、過度な装飾を避け、素材そのものの魅力を活かすミニマルデザインが重視されています。伝統工芸品もこの潮流に合わせて進化しており、木工・陶磁器・和紙・金工といった自然素材の質感を前面に出したシンプルな造形が増えています。
これにより、「和」のイメージにとらわれない柔軟な使い方が可能になっています。

種類特徴日常の利用シーン
木工(漆・木地)素材感を活かしたシンプルな器・カトラリー食卓・キッチン
陶磁器無地・単色で扱いやすい器毎日の食事・来客用
和紙製品柔らかい光をつくる照明・ステーショナリーリビング・デスク周り
金工控えめな鎚目や落ち着いた質感の雑貨玄関・寝室

(2)ビジネス・家庭・ギフトで使いやすいアイテムの特徴

ビジネス用途では、落ち着いた色調・高い耐久性・品格のある素材感が評価され、文具やデスク小物が特に選ばれています。家庭向けには、器やカトラリー、照明など実生活で使いやすいアイテムが中心で、空間に温かみをもたらす点が支持されています。
ギフト用途では、縁起の良さや地域性、普遍的なデザインが重視され、相手の年齢や好みに左右されにくい点が魅力です。

用途特徴代表的なアイテム
ビジネス落ち着いたデザイン、耐久性、上質感和紙文具、木製名刺入れ、金工ペン
家庭実用性・温かみ・扱いやすさ箸・漆器・陶磁器・照明
ギフト縁起・地域性・普遍的デザインこけし、化粧筆、和紙小物

(3)プラスチック代替としての竹・木・和紙の注目度

竹・木・和紙は、いずれも資源として持続可能で、加工・製造時のエネルギー消費が比較的少ない点が評価されています。竹は成長が非常に早く、軽量で強度も高いため、箸や器、パッケージなど幅広い用途で利用が拡大しています。
木材は耐久性と修理のしやすさから長期使用に向いており、ライフサイクル全体での環境負荷を抑えられます。和紙は軽量・柔軟・生分解性という特性を持ち、包装材から照明・文具まで現代デザインとの相性が良い素材です。

素材特徴用途例
成長が早い・再生可能・軽量で高強度箸、器、パッケージ、日用品
耐久性が高く長寿命・風合い豊か家具、生活雑貨、キッチン用品
和紙軽量・加工しやすい・生分解性包装材、照明、文具、インテリア

4.企業・学校・個人が今日からできる「伝統工芸×SDGs」の取り入れ方

伝統工芸品は、企業のノベルティや周年記念、学校のSDGs教材、家庭での循環型消費など、幅広い場面で持続可能な実践につながります。
ここでは、企業・学校・個人が日常的に取り入れられる具体的な方法と、今日から実践できるポイントを解説します。

(1)企業のノベルティ・周年記念での活用

企業が「伝統工芸×SDGs」を取り入れるうえで、もっとも実践しやすいのがノベルティや周年記念品への活用です。伝統工芸品は再生素材・自然素材を基盤にした製品が多く、長期使用を前提として設計されているため、使い捨てノベルティに比べて廃棄物削減に貢献します。
また、技術継承や地域文化のストーリー性を持つ点は、企業理念やブランド価値と結びつけやすい特徴です。周年記念や表彰向けには、高級感や耐久性を備えた工芸品を選ぶことで、企業の歴史・価値観を象徴する記念品として活用できます。

種類特徴活用シーン
竹製・木製アイテム天然素材で環境負荷が小さい記念品・展示会ノベルティ
和紙製品軽量でデザイン性が高い封筒・カード・特製文具
小型漆器・金工品高級感と長寿命周年記念・社内表彰

(2)学校教育でのSDGs教材としての導入例

学校教育では、伝統工芸品を体験型のSDGs教材として活用する取り組みが広がっています。伝統工芸は、天然素材の使用、長寿命設計、修理を前提としたものづくりなど、環境配慮の価値観を自然に学べる点が特長です。
図工・美術・家庭科では、素材の特徴や手仕事の工程を理解する教材として用いられ、総合学習では地域の職人による指導や制作体験を通じて、文化継承と循環型社会の仕組みを同時に学ぶことができます。また、工芸を地域産業の学びにつなげることで、過疎化や後継者不足などの社会課題に目を向ける契機となり、探究型学習との親和性も高い点が教育現場で評価されています。

活用方法内容SDGsとの関連
制作体験授業和紙漉き、竹細工、染色などの手仕事体験12.つくる責任・つかう責任
地域職人との連携学習工房見学・インタビュー・技術継承学習11.住み続けられるまちづくり
展示・鑑賞学習工芸品の素材・工程・歴史の理解4.質の高い教育をみんなに

(3)家庭でできる「長く使う・直して使う」実践

家庭で伝統工芸品を取り入れる価値は、購入後も手入れや修理を重ねながら長く使い続けられる点にあります。漆器の塗り直しや金継ぎ、竹製品の削り直し、和紙の張り替えなど、メンテナンスや修復の工程そのものが「直して使う」文化の実践です。
日常にこのプロセスを取り入れることで、循環型社会の考え方を家庭に持ち込むことができます。

実践内容詳細効果
定期的な手入れ漆器の乾拭き、竹製品の陰干しなど長寿命化・買い替えの削減
修理・補修の依頼金継ぎ、漆の塗り直し、和紙の張り替え循環型消費の定着
クリエイティブな再活用器を小物入れに転用、和紙を照明素材に再利用廃棄物削減・創造的リユース

(4)金継ぎ・草木染めなど自分でできる循環型体験

金継ぎは、割れたり欠けた器を漆で継ぎ、金や銀で仕上げる日本古来の修復技法です。廃棄せずに使い続けられるようにするため、「壊れたら捨てる」という価値観を見直すきっかけになります。
草木染めは、玉ねぎの皮や茶葉、季節の植物など身近な素材から色を抽出し布を染める方法で、自然素材の再活用や循環の仕組みを体験的に理解できる点が魅力です。障子や行灯の和紙を張り替える作業も、身近な修繕文化に触れられる循環型の体験として取り組まれています。

体験内容概要得られる効果
金継ぎ割れ・欠けた器を漆で継ぎ、金・銀で仕上げる修復技法廃棄削減、愛着形成、工芸理解
草木染め植物由来の素材から色を抽出し布を染める手法自然素材の再活用、循環理解、創造性向上
和紙張り替え障子・行灯などの和紙を交換して再生修繕の習慣化、長寿命化

5.まとめ

環境にやさしい伝統工芸品は、天然素材・再生素材・地域資源を活かし、長く使える設計や修理文化によって環境負荷を抑えられる点が大きな特徴です。企業にとってはCSRやノベルティ、オフィス備品としての活用、学校では教育教材としての導入、家庭では日用品としての選択肢になるなど、幅広い場面でSDGs貢献が可能です。
この記事では、代表的な15品目を取り上げ、それぞれの歴史的背景・製法・価格帯・実際の活用シーンを解説しました。この記事を参考に、持続可能な社会づくりに向け、文化を守りながら環境にも配慮した選択肢としてぜひ積極的に取り入れてみてください。