【企業担当者向け】本田宗一郎の本おすすめ10選|経営哲学と実務に活かせる学び

本田宗一郎氏が残した情熱と哲学は、今なお多くのビジネスパーソンに強い影響を与えており、それらは書籍で感じることも可能です。
この記事では、自伝から経営論まで、企業担当者が実務に活かせる学びを得られる厳選書籍を紹介します。ホンダを世界的ブランドへと導いた不屈の精神と実践的な教訓を、これらの本を通して深く理解できるでしょう。
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1.本田宗一郎のおすすめ書籍10選【自伝・経営哲学・実務活用】
(1)本田宗一郎 夢を力に: 私の履歴書

『夢を力に: 私の履歴書』は、日本経済新聞の人気連載をまとめたもので、本田宗一郎氏の半生と経営哲学を知る代表的な一冊です。戦後の混乱期から世界的企業を築き上げるまでの過程が描かれ、逆境を力に変える姿勢や「やりたいことを実現する情熱」がリアルに伝わってきます。
特に、藤沢武夫氏との二人三脚で技術と経営を両輪に進めたエピソードや、困難に直面しても信念を貫く姿勢は、現代の企業担当者にとっても大きな示唆を与えてくれるでしょう。
こんな方におすすめ
- ・創業者の実体験から経営の本質を学びたい
- ・困難を力に変えるリーダーシップを知りたい
- ・仕事への情熱やモチベーションを高めたい
(2)得手に帆あげて

『得手に帆あげて』は、本田宗一郎氏が技術者としての原点を語り、ものづくりへの情熱と独創的な発想を記した一冊です。タイトルが示す通り、「得意分野にこそ全力を注ぎ、挑戦を続けるべき」という信念が貫かれています。ホンダが直面した数々の技術的課題や、それを乗り越えるための試行錯誤の過程からは、イノベーションを生み出す姿勢がリアルに伝わってきます。
こんな方におすすめ
- ・自社の強みを活かした戦略づくりを学びたい
- ・技術革新や商品開発に携わる企業
- ・挑戦を恐れず前進するリーダーの姿勢を知りたい
(3)ざっくばらん

『ざっくばらん』は、本田宗一郎氏が率直な語り口で、自身の経験や考え方を綴った第一作です。タイトル通り、肩肘張らずに本音で語られる内容からは、同氏が重視したオープンな対話姿勢が伝わってきます。経営者や管理職が社員と本音で語り合うことの重要性を示し、組織の風通しを良くする文化づくりに活かすことができます。
こんな方におすすめ
- ・社員とのオープンなコミュニケーションを学びたい方
- ・既成概念にとらわれない経営哲学に触れたい方
- ・古典的名著から現代にも通じる普遍的な知恵を得たい方
(4)俺の考え

『俺の考え』は、本田宗一郎氏が自身の経営哲学や人生観を率直に語った一冊です。技術者としての矜持や挑戦し続ける重要性、さらに人間としてのあり方まで幅広いテーマが展開されています。特に「世の中にないものをつくる」という信念は、短期的な利益に囚われず、長期的な視点で事業を育てる姿勢を示しています。
こんな方におすすめ
- ・普遍的な経営哲学を学び、自社の方向性を見直したい
- ・市場を切り拓く「需要創出型」の発想を取り入れたい
- ・短期的成果に流されず、社員とともに長期成長を目指したい
(5)本田宗一郎 100の言葉

『本田宗一郎 100の言葉』は、数々の名言から厳選された100のフレーズを収録した一冊です。短い言葉の中に、本田氏の経営哲学・人生観・人間観が凝縮されており、忙しい日常の中でもエッセンスを素早く吸収できます。特に「失敗を恐れるな」「需要は自ら創り出すもの」といった力強い言葉は、判断に迷ったときの羅針盤となり、組織を動かすリーダーに勇気を与えます。
こんな方におすすめ
- ・日々の判断や意思決定に迷ったときに指針が欲しい
- ・短時間で本田宗一郎の哲学を学びたい企業
- ・チームを鼓舞する言葉を自分の引き出しに増やしたい
(6)1分間本田宗一郎 常識を打ち破る人生哲学77

『1分間本田宗一郎 常識を打ち破る人生哲学77』は、講演やインタビューから厳選した言葉をまとめた一冊です。常識に縛られず、逆境に立ち向かう精神や、自ら行動する姿勢が短いフレーズで語られており、忙しい日々でも気軽に読み進められます。特に「需要は自ら作り出すもの」「科学技術に優先するのは人間の正しい思想」といった言葉には、技術者としての本質と経営者としての哲学が凝縮されています。
こんな方におすすめ
- ・常識を疑い、新しい発想で組織を動かしたい
- ・技術者精神と経営哲学の両方を短時間で学びたい
- ・リーダーとして逆境を乗り越える勇気を得たい
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(7)やりたいことをやれ

『やりたいことをやれ』は、本田宗一郎氏が「好きこそ物の上手なれ」という信念のもと、情熱と自己実現の重要性を説いた一冊です。若い世代や新しい挑戦に踏み出そうとする人々に向けて、自分のやりたいことに正直に生きる意義を力強く語っています。組織にとっても、従業員が自らの情熱を活かせる環境を整えることは、生産性やモチベーションの向上につながります。
こんな方におすすめ
- ・社員のモチベーションを高める方法を探している
- ・自分や組織の「やりがい創出」に関心がある
- ・挑戦を恐れず自己実現を後押ししたいリーダー
(8)日本の企業家 7 本田宗一郎 夢を追い続けた知的バーバリアン

『日本の企業家 7 本田宗一郎 夢を追い続けた知的バーバリアン』は、本田宗一郎氏の破天荒ともいえる経営スタイルを「知的バーバリアン」と評し、その情熱と信念を描いた一冊です。既存の常識に縛られず、自らの理想を追求する姿勢は、現代のビジネス環境においても主体性と決断力を磨くうえで大きな示唆を与えてくれます。
こんな方におすすめ
- ・困難を突破する主体性と決断力を身につけたい
- ・経営の実行力やタイミングの重要性を学びたい企業
- ・戦後日本の快進撃に学び、組織を成長させたい
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(9)本田宗一郎―やってみもせんで、何がわかる

『本田宗一郎―やってみもせんで、何がわかる』は、そのタイトル通り「まず行動する」という本田氏の行動哲学を凝縮した評伝です。机上の理論ではなく、現場で試行錯誤を繰り返しながら道を切り拓いた姿勢が描かれています。特に、失敗を恐れず挑戦し続けるマインドは、変化の激しい現代において新規事業やサービスを生み出す企業担当者にとって大きなヒントになります。
こんな方におすすめ
- ・行動力と挑戦心を経営や組織に取り入れたい
- ・本田宗一郎の人物像を体系的に学びたい企業
- ・ホンダの歴史とDNAに触れ、未来への示唆を得たい
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(10)会社のために働くな

『会社のために働くな』は、本田宗一郎氏が説いた「自分のために働くこと」の重要性をテーマにした一冊です。会社や上司のためではなく、自分自身の成長や幸福を追求することが、結果的に会社全体の発展につながるという逆説的な真理を示しています。社員一人ひとりが主体的に仕事に取り組むことで組織が強くなるという考え方は、現代の働き方やモチベーション管理にも大きな示唆を与えます。
こんな方におすすめ
- ・社員一人ひとりの主体性を尊重する組織づくりを学びたい
- ・自己成長と会社成長をつなげる考え方に関心がある
- ・現代的な働き方改革やモチベーション管理に役立つヒントを探している
2.いつ何をした?本田宗一郎氏の年表

以下では、ホンダの主要な歴史と本田宗一郎氏の関わりをご確認いただけます。
年代 | 本田技研側の主な出来事 | 本田宗一郎氏・関与または背景 | 世界の主な出来事 |
1906年 | — | 本田宗一郎生誕11月17日、静岡県(光明村)に生まれる | アテネでオリンピック大会が開催 |
1946年 | 浜松で本田技術研究所を設立、二輪エンジン開発を開始 | 本田氏が技術者として試作・開発を主導 | 第1回カンヌ国際映画祭が開催(フランス) |
1948年 | 本田技研工業(Honda)設立 | 本田宗一郎が創業メンバーとして事業を始動 | ロンドンオリンピックが開催(イギリス) |
1949年 | 「ドリーム」等初期二輪モデルを発売 | 本田氏の技術力とブランド構築への関与 | プロ野球「読売ジャイアンツ」が初のセ・リーグ優勝 |
1958年 | スーパーカブC100発売 | — | ブリュッセル万国博覧会(EXPO58)開催 |
1959年 | American Honda(米国現地法人)設立 | — | 皇太子明仁親王と美智子さまのご成婚(日本) |
1962年 | 鈴鹿サーキット建設(社内試験コース) | — | 第18回FIFAワールドカップ開催(チリ) |
1963年 | 小型トラック「T360」・スポーツカー「S500」発売(四輪参入) | 本田氏は四輪事業への転換を技術的側面から支援 | ビートルズが大ブレイク |
1964年 | F1参戦を開始 | — | 東京オリンピック開催(日本) |
1965年 | F1初優勝(メキシコGP) | — | 日本でカラーテレビの普及が進む |
1972年 | 初代シビック発売 | — | アジア初の冬季オリンピックが札幌で開催 |
1973年 | 本田宗一郎氏、役員退任(社長職を後進に譲る) | 引退 | 日本プロ野球で長嶋茂雄が引退を表明 |
1986年 | 高級車ブランド「アキュラ(Acura)」を北米で展開 | — | ドラゴンクエスト(ドラクエ)発売 |
1991年 | 本田宗一郎氏 逝去 | 8月5日逝去。享年84歳 | FIFA女子ワールドカップ初開催(中国) |
2000年代 | 環境技術、ロボティクス、航空事業など技術展開を拡張 | — | ・2000年 シドニーオリンピック ・2002年 FIFAワールドカップ 日韓共同開催 ・2005年 愛・地球博(愛知万博) |
2020年代 | 電動車(EV)・水素技術への取り組み強化 | — | ・2021年 東京オリンピック・パラリンピック開催 ・2022年 FIFAワールドカップ カタール大会 ・2024年 大阪・関西万博 |
参考:https://honda-densyokan.com/library/tenryuukouen.pdf
本田宗一郎氏の発言や哲学は、戦後の混乱期から世界企業へと成長するホンダの歴史の中で生まれ、その一つひとつが企業の方向性を決定づけてきました。
そのため現代のホンダに通ずる数々の革新はもとを辿れば、本田宗一郎氏に源流があることがわかります。
不安定な世界情勢にありましたが、多くの人にバイクと車を提供し、利便性と乗り物を楽しむ幸せを提供したその姿勢は、現代企業が直面する課題を解決するうえでの普遍的な指針となります。
3.本田宗一郎氏の書籍から学べること

本田宗一郎氏の思想は、一見すると時代背景に根差したものに見えますが、その本質は今も色あせません。ここでは「イノベーション」「リーダーシップ」「現場主義と人間尊重」という3つの観点から、現代の企業担当者に通じる学びを解説します。
(1)イノベーションを生み続けた思想
本田宗一郎氏の特に特筆すべき点は、「なぜできないのか?」を問い続け、不可能を可能に変えてきた姿勢です。近年のビジネスでいえば、イノベーションの原動力があったといえるでしょう。
以下に、氏の思想を企業経営にどう応用できるかを整理しました。
思想の特徴 | 具体的な内容 | 企業への示唆 |
常識を疑う姿勢 | 既存の前提に縛られず、新しい解決策を模索する | 競合との差別化や新市場開拓に直結 |
失敗を恐れない挑戦 | 試行錯誤を繰り返し、失敗を次の成長へつなげる | レジリエンス(柔軟な対応力)の強化 |
未来志向の価値創造 | 短期的利益よりも長期的ビジョンを重視 | 持続的成長戦略の推進に不可欠 |
変化の激しい現代ビジネスにおいても、この思想は競争優位性を築く大きな指針となります。
本田宗一郎の本を通して得られるのは「過去の成功体験」ではなく、むしろ「未来を切り開くための考え方」なのです。
(2)名言・哲学に宿るリーダーシップ
本田宗一郎氏の言葉には、情熱・信念・挑戦する勇気が凝縮されています。
それは単なるスローガンではなく、部下や組織を導く「生きた指針」となり得ます。
代表的な名言とリーダーシップへの示唆を整理すると、以下の通りです。
名言 | 含まれる哲学 | 企業担当者への示唆 |
失敗なくして成功なし | 失敗を恐れず挑戦する姿勢 | 社員の挑戦を後押しし、挑戦文化を醸成する |
人間は考える葦である | 人間の知恵と柔軟性を重視 | 多様な意見を尊重し、創造性を引き出す |
得手に帆あげて | 強みを最大限に活かす | 社員の適材適所配置と能力開発につながる |
本田宗一郎のリーダーシップは、威圧ではなく共感と信頼に基づくスタイルでした。
社員一人ひとりの可能性を信じ、自律的な行動を促す姿勢は、現代のマネジメントにも通じる普遍的な指針です。
(3)現場主義と人間尊重の組織論
本田宗一郎氏は、技術者としての現場経験を基盤に「現場こそが企業発展の源泉」と捉えていました。
さらに社員一人ひとりの個性や能力を尊重し、互いを認め合う風土を大切にしたのです。
その思想は、現代企業がエンゲージメント向上や組織パフォーマンス最大化を目指すうえで有効な指針となります。
組織論の特徴 | 具体的な内容 | 企業への示唆 |
現場主義 | 技術者や社員の現場体験を重視し、経営判断に反映 | 顧客ニーズや課題を迅速に把握し、製品・サービス改善へ直結 |
人間尊重 | 個々の能力や個性を信頼し、対話を通じて成長を支援 | 多様性を活かしたチームづくりと人材育成の促進 |
風土づくり | 互いを認め合う文化を重視 | 社員のモチベーションを高め、組織全体の一体感を醸成 |
本田宗一郎の「現場主義と人間尊重」は、単なる経営理念ではなく、持続的成長を支える組織設計の原則として現代にも通用します。
4.まとめ
本田宗一郎氏の情熱と哲学は、創業期から現代に至るまで、ホンダのDNAとして脈々と受け継がれています。今回ご紹介した書籍は、その偉大な経営者の思考を深く理解し、自身の経営に活かすための貴重な羅針盤となるはずです。ぜひ手に取り、未来を切り拓くためのインスピレーションを得てください。