オフィスにリラックス空間をつくると、社員がデスクを離れて気持ちを切り替えられる場ができ、休憩の質や社員同士の交流、働きやすさの向上につなげられます。一方で、目的を決めずに家具だけをそろえると、使われない空間になったり、避難経路をふさいだりと、かえって職場の課題を増やしてしまうこともあります。
この記事では、オフィスのリラックス空間の作り方を、ゾーニングや照明・音の整え方、空間づくりに役立つ家具8選、設ける効果、公的機関の資料にある導入事例とあわせて解説します。
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1.オフィスのリラックス空間の作り方
オフィスのリラックス空間は、家具を置く前に、誰がどのように使うのかを決めることから始まります。目的が決まれば、必要な広さや仕切り方、照明や音の整え方まで、判断の基準が明確になります。
ここでは、限られたスペースでも取り組めるリラックス空間の作り方を、手順に沿って解説します。
(1)目的と利用シーンを決める
最初に、リラックス空間を何に使うのかを決めます。昼食をとる、仮眠をとる、雑談をする、ストレッチをする、一人で静かに休むなど、主な用途によって必要な広さや家具は大きく変わります。
あわせて、利用する人数と時間帯も把握しておきます。昼休みに利用が集中するのか、終日少しずつ使われるのかによって、座席の数や配置の考え方が変わるためです。社員に簡単なアンケートをとると、実際の使われ方に合った空間を計画しやすくなります。
(2)執務エリアとの距離と仕切り方を決める
用途が決まったら、執務エリアとの位置関係を考えます。電話や会話が多い執務席の近くでは落ち着いて休みにくいため、執務席から離れた位置や窓際に設けるのが理想です。
完全な個室をつくれない場合は、ローパーテーションや棚、観葉植物でゆるやかに区切る方法があります。靴を脱いで上がれる置き畳のスペースを設けると、物理的な仕切りがなくても執務エリアとの気持ちの切り替えがしやすくなります。
(3)動線と避難経路を確保する
リラックス空間の配置では、くつろぎやすさだけでなく安全性にも配慮が必要です。入口から座席まで人がすれ違える通路幅を確保し、家具や仕切りで避難経路や消火器、非常口をふさがないように注意します。
スペースが限られる場合は、大型の固定家具よりも、ビーズソファや折りたたみチェアなど動かせる家具を中心にすると、用途に応じてレイアウトを変えやすくなります。避難経路に関する具体的な条件は、ビルの管理会社や所轄の消防署に確認しておくと安心です。
(4)照明の色と明るさを執務エリアと変える
照明は、空間の雰囲気を大きく左右する要素です。執務エリアよりも暖かみのある電球色の光や、やや落とした明るさにすると、くつろぎやすい雰囲気をつくれます。
なお、事務所衛生基準規則では、一般的な事務作業を行う作業面の照度を300ルクス以上とすることが定められています。執務エリアはこの基準を守ったうえで、休憩専用の空間ではフロアライトやスタンドで部分的に光を足し、光の色や明るさに変化をつけるとよいでしょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000841697.pdf
(5)音の響きを抑える
オフィスでは、会話や足音、キーボードの音などが響きやすく、休んでいても周囲の音が気になることがあります。吸音パネルやラグ、畳など、音を吸収する素材を取り入れると、空間の響きを抑えられます。
BGMを流す場合は、休憩中の会話を妨げない音量に調整します。市販の音楽を業務用のスペースで流す際は、著作権の取り扱いにも注意が必要です。
(6)グリーンや香りで自然の要素を取り入れる
観葉植物などのグリーンを取り入れると、無機質になりがちなオフィスにやわらかな印象を加えられます。ただし、植物は置いたままにすると枯れてしまうため、日当たりのよい置き場所と水やりの担当を決めてから導入することが大切です。
香りを取り入れる場合は、好みが分かれやすいことを前提に、弱めの設定から始めます。苦手な人がいないかを事前に確認し、使用する時間帯を決めておくと、トラブルを防げます。
(7)予算に合わせて段階的に整える
リラックス空間は、予算に応じて段階的に整えることもできます。最初から大がかりな改修をせず、小さく始めて利用状況を見ながら広げていくと、無駄な投資を抑えられます。
| 規模 | 進め方の例 |
| 小規模 | 既存のスペースにビーズソファや照明、観葉植物を足す |
| 中規模 | ローパーテーションと吸音材でゾーンを区切り、ソファやチェアをそろえる |
| 本格的な改修 | 内装工事を伴うため、内装業者やビル管理会社と防火・避難の条件を確認する |
休憩室の整備には、自治体や国の補助金を活用できる場合もあります。制度の名称や要件は地域や年度によって異なるため、計画の段階で確認しておきましょう。
2.オフィスのリラックス空間づくりに役立つ家具・アイテム8選
(1)Yogibo Max(ヨギボー マックス)

「Yogibo Max」は、形を自由に変えて使えるビーズソファです。縦に置けば椅子のように座れ、横に倒せばソファやベッドのように体を預けられるため、座る・もたれる・横になるといった使い方を一台で選べます。
一人で休みたいときにも、数人で並んで座りたいときにも使えるため、用途が一つに定まらないリラックス空間に向いています。
| 特徴 | ・形を変えて使い方を選べる ・一人でも複数人でも使える ・レイアウト変更時に移動させやすい |
(2)パナソニック LEDフロアスタンド MODIFY パネル付型 SF251WZ

「パナソニック LEDフロアスタンド MODIFY」は、床に置いて使う電球色のフロアスタンドです。天井の照明を変えなくても、暖かみのある光でくつろげる一角をつくれます。
フットスイッチ付きのため、ソファに座ったまま足元で点灯・消灯でき、照明の操作に手間がかかりません。
| 特徴 | ・天井照明を変えずに光の雰囲気を変えられる ・足元のスイッチで操作できる ・賃貸オフィスでも導入しやすい |
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(3)felmenon(フェルメノン)吸音フェルトボード 裏面マグネット付き FMSM-8060C

「felmenon 吸音フェルトボード」は、フェルト素材で会話や物音の反響を抑える吸音ボードです。裏面がマグネットになっているため、スチール製の壁や間仕切りに貼り付けて使えます。
壁に穴を開けずに設置できるため、原状回復が必要な賃貸オフィスでも取り入れやすい点が特徴です。
| 特徴 | ・会話や物音の反響を抑えられる ・穴を開けずに設置できる ・賃貸オフィスでも原状回復しやすい |
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(4)イケヒコ い草 置き畳 ユニット畳 『あぐら』 6枚組

「イケヒコ 置き畳 あぐら」は、国産い草を使った約82×82cmのユニット畳です。床に並べるだけで、靴を脱いで上がれるスペースを工事なしでつくれます。
ジョイントで畳同士をつなげられるため、ずれにくく、6枚組でまとまった広さを確保できます。
| 特徴 | ・工事なしで小上がりのような空間をつくれる ・ジョイントでつなげてずれを防げる ・床の素材が変わり気持ちを切り替えやすい |
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(5)オフィスコム ローパーテーション 幅1000×高さ1200mm OC-PT-M1210-DB

「オフィスコム ローパーテーション」は、高さ1200mmの法人向けローパーテーションです。座ったときの視線をさえぎる高さのため、執務エリアとリラックス空間をゆるやかに区切れます。
完全に囲わずに区切れるため、空間の圧迫感を抑えながら、休憩中の姿が執務席から見えにくい環境をつくれます。
| 特徴 | ・座ったときの視線をさえぎれる高さ ・圧迫感を抑えてゆるやかに区切れる ・法人向けの商品でオフィスになじみやすい |
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(6)bloomee 観葉植物 パキラ 7号

「bloomee パキラ 7号」は、オフィスのリラックス空間に自然の要素を取り入れられる床置きタイプの観葉植物です。7号サイズの鉢は床に置いて飾れるため、ソファやチェアの周辺に配置するほか、執務エリアとの境目に置いて空間をゆるやかに区切る使い方もできます。
緑を取り入れることで、無機質になりがちなオフィスにやわらかな印象を加え、落ち着いた雰囲気を演出できます。
| 特徴 | ・床置きできるサイズで存在感がある ・仕切りの代わりにも使える ・オフィスにやわらかな印象を加えられる |
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(7)イケヒコ い草 畳ヨガマット 日本製 約60×180cm

「イケヒコ い草 畳ヨガマット」は、い草を使った日本製のマットで、ストレッチスペースに取り入れやすいアイテムです。休憩時間に体を伸ばせる場所を、必要なときだけ広げてつくれます。
置き畳と同じい草素材のため、和の空間で統一感を出しやすい点も特徴です。使わないときは丸めて片付けられるため、スペースを圧迫しません。
| 特徴 | ・ストレッチスペースを手軽につくれる ・置き畳と統一感を出せる ・使わないときは片付けられる |
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(8)@aroma(アットアロマ)ピエゾディフューザー ソロ

「ピエゾディフューザー ソロ」は、ピエゾ式でアロマオイルを拡散し、オフィスのリラックス空間に香りを取り入れられるディフューザーです。拡散範囲は約40畳とされ、広さのある休憩スペースにも対応できます。
運転開始から12時間で自動的に電源が切れるオートオフ機能を備えており、消し忘れを防げる点も特徴です。
| 特徴 | ・静かな方式で香りを拡散できる ・オートオフ機能で消し忘れを防げる ・シンプルなデザインで空間になじむ |
3.オフィスにリラックス空間を設ける効果

リラックス空間は、社員が休むためだけの場所ではありません。仕事と休憩の切り替えや、部署を越えた交流、快適な職場環境づくりにつながるため、社内で導入の目的を説明する際にも効果を整理しておくことが大切です。
ここでは、オフィスにリラックス空間を設けることで期待できる効果を解説します。
(1)仕事と休憩の切り替えがしやすくなる
自分のデスクで休憩をとると、パソコンの画面や仕事の資料が目に入り、気持ちが休まりにくくなります。デスクを離れて別の空間で過ごすことで、同じ姿勢や画面から一度離れられるため、休憩の時間を休憩として過ごしやすくなります。
また、休む場所と働く場所が分かれていると、休憩後に業務へ戻る区切りもつけやすくなります。集中し直すきっかけができることで、午後の業務にも気持ちよく取り組めます。
(2)部署を越えた会話や交流が生まれやすくなる
執務席では、同じ部署の人以外と話す機会は限られがちです。リラックス空間があると、部署や役職を問わず自然に会話できる場所が生まれます。
昼食や休憩の時間が重なることで、普段は接点のない社員同士が話すきっかけになり、業務上の相談や情報共有がしやすい関係づくりにもつながります。
(3)快適に働ける職場環境づくりにつながる
厚生労働省が示す「快適職場指針」では、快適な職場づくりの項目の一つとして、疲労を回復するための施設・設備の整備が挙げられています。リラックス空間の整備は、社員が快適に働ける環境づくりの具体的な取り組みの一つです。
休憩しやすい環境が整っていることは、採用活動や社員の定着の面でも、職場の魅力として伝えやすい要素になります。
参考:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/anzen_eisei/kaiteki.html
4.オフィスのリラックス空間の導入事例
リラックス空間の整備は、大企業だけの取り組みではありません。公的機関の資料には、中小企業がリフレッシュルームや休憩室を設けた事例も紹介されています。
ここでは、公的機関の資料に掲載されている導入事例を紹介します。
(1)リフレッシュルームとストレッチスペースを設置:株式会社近藤商会(北海道函館市)
株式会社近藤商会は、社内にマッサージチェアやストレッチスペースを備えたリフレッシュルームを設けています。あわせて、リカバリールームやメンタル面談室なども整備しており、心身の両面から社員の健康を支える環境をつくっています。
休憩のための空間と相談のための空間を分けて設けることで、社員が目的に応じて使い分けられる点が特徴です。
参考:https://www.hkd.meti.go.jp/hokch/20250318/torikumi.pdf
(2)補助金を活用して休憩室を設置:太平洋設備株式会社(北海道釧路市)
太平洋設備株式会社は、労働環境を改善するため、事業承継補助金を活用して休憩室を設置しました。あわせて机や椅子も新調しています。
補助金を活用することで、費用の負担を抑えながら休憩環境を整えた事例です。休憩室の整備を検討する際は、自社が活用できる補助金がないかを確認してみるとよいでしょう。
参考:https://www.hkd.meti.go.jp/hokch/20250318/torikumi.pdf
(3)卓球やパターゴルフができるリフレッシュルーム:小西化学工業(和歌山県和歌山市)
化学製品を製造する小西化学工業は、社内に卓球やパターゴルフができるリフレッシュルームを設けています。和歌山県が掲載する企業紹介資料の中で、健康経営の取り組みとして紹介されています。
座って休むだけでなく、体を動かして気分転換できる空間を設けることで、社員同士が交流するきっかけにもなっています。
参考:https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/041200/h_kenkou/d00203628_d/fil/konishikagakukougyou.pdf
5.まとめ
オフィスのリラックス空間は、目的と利用シーンを決め、執務エリアとの距離や仕切り方、動線、照明、音、グリーンを順に整えることでつくれます。予算に合わせて小さく始め、利用状況を見ながら広げていくと、無駄な投資を抑えられます。
リラックス空間は、仕事と休憩の切り替えや社員同士の交流、快適な職場環境づくりにつながる取り組みです。自社の広さと予算に合った形で導入を進めてください。