セグメンテーションの本を読むことで、市場や顧客をどのような基準で分けるのか、その分類がターゲティングやポジショニングにどうつながるのかを体系的に整理でき、自社の顧客設定を見直す際の判断材料を持つことができます。
この記事では、セグメンテーションの本おすすめ11選を基礎・4つの分類軸・顧客データ分析・BtoBのテーマ別に整理し、それぞれの特徴と理解できる内容を解説します。
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1.セグメンテーションの本おすすめ11選|基礎・分類軸・実務・BtoB別に紹介
(1)セグメンテーションの基礎がわかる入門書3選
①ドリルを売るには穴を売れ

『ドリルを売るには穴を売れ』は、「商品ではなく顧客にとっての価値から考える」という視点を軸に、ベネフィット・ターゲティング・他社との差異化・4Pを体系的に解説したマーケティング入門書です。誰に商品を売るのかという観点からセグメンテーションとターゲットを扱っています。
新人社員が閉店寸前のレストランを再生するストーリーが各章の内容と並行して進むため、理論が実際のマーケティングでどのように使われるのかを具体的に確認できます。
| 本書のメリット | ・顧客にとっての価値を起点に市場を捉える発想が身につく ・セグメンテーションとターゲティングの関係を流れで理解できる ・ストーリーを通じて理論の使いどころを確認できる |
②マーケティング〈第2版〉

『マーケティング〈第2版〉』は、早稲田大学商学学術院教授の恩蔵直人氏が、マーケティングの基礎知識から市場や顧客の捉え方までを体系的にまとめた入門書です。市場競争を踏まえて標的となる顧客を定める考え方を学べるほか、第2版ではマーケティング3.0・4.0、オムニチャネル、カスタマージャーニーなどの新しいテーマも追加されています。
セグメンテーションに加え、その前後にあるマーケティング全体の流れを整理したい人に適しています。
| 本書のメリット | ・マーケティングの主要概念を5章の流れで整理できる ・市場競争の中で顧客を絞り込む意味を理解できる ・新書サイズで全体像を短時間で確認できる |
③この1冊ですべてわかる 新版 マーケティングの基本

『この1冊ですべてわかる 新版 マーケティングの基本』は、実際の商品開発の流れに沿ってマーケティングの理論と実務を解説した書籍です。新商品開発を環境分析から市場導入まで6段階で整理し、STPでは想定市場・競合、ターゲット、ユーザーベネフィット、差別化ポイントなどを扱います。
フリーミアム、サブスクリプション、カスタマージャーニーなどWebマーケティングの内容も追加されています。
| 本書のメリット | ・商品開発の手順に沿ってSTPの位置づけを把握できる ・3Cや4Pなど関連するフレームワークとの関係を整理できる ・図版が多く各手法の使いどころを視覚的に確認できる |
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(2)4つの分類軸について体系的に学べるセグメンテーションの本3選
①[改訂4版]グロービスMBAマーケティング

『[改訂4版]グロービスMBAマーケティング』は、グロービス経営大学院がまとめたマーケティングのテキストです。マーケティングプロセスに沿って「市場機会の発見とマーケティング課題の特定」「セグメンテーションとターゲティング」「ポジショニング」「マーケティングミックス(4P)」の順に解説しています。
また、各章冒頭のCASEや本文中の企業事例も刷新されており、基礎から応用までマーケティング理論を体系的に確認できます。
| 本書のメリット | ・セグメンテーションからポジショニングまでを章立てで追える ・分類軸の考え方を企業の実例と結びつけて理解できる ・BtoBや顧客経験価値まで含めて応用範囲を把握できる |
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②マーケティング戦略〔第6版〕

『マーケティング戦略〔第6版〕』は、有斐閣アルマのマーケティング戦略テキストです。体系的な構成と各論への目配りを基本としながら、豊富な事例を取り入れてマーケティング戦略を解説しています。
マーケティング戦略について各テーマを体系的に確認したい人が、関連する知識をまとめて学ぶ際に活用できます。
| 本書のメリット | ・市場の選択という枠組みでセグメンテーションを位置づけられる ・分類の前提となる消費者行動や競争の分析手法を理解できる ・理論的な裏づけを持って標的市場の設定を検討できる |
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③コトラーのマーケティング入門〔原書14版〕/フィリップ・コトラー他(丸善出版)

『コトラーのマーケティング入門〔原書14版〕』は、初心者向けのマーケティング入門書です。マーケティングの基礎からデジタルマーケティングまでを、豊富な事例とともに解説しています。
顧客価値・エンゲージメント・リレーションシップなど、デジタル時代のマーケティングに影響を与えるトレンドや変化についての内容が追加されており、マーケティングを基礎から幅広く学びたい場合に有効です。
| 本書のメリット | ・市場細分化から差別化までの標準的な流れを確認できる ・消費者市場と産業財市場で細分化基準の違いを把握できる ・世界的な標準テキストとして用語の定義を確認できる |
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(3)顧客データからセグメントを分析する実務者向けのセグメンテーション本3選
①たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』は、顧客起点で事業を考えるためのフレームワークを解説した書籍です。認知・購買経験・購買頻度をもとに顧客を5つに分類する「顧客ピラミッド」と、ブランド選好の軸を加えた「9セグマップ」を扱っています。
自社ブランドとの関係性から顧客を分類し、各セグメントの構成を把握したうえで、一人の顧客(N1)を抽出して深掘りする流れが示されています。
| 本書のメリット | ・自社ブランドとの関係性を軸にした顧客分類を理解できる ・顧客ピラミッドと9セグマップの作成手順を把握できる ・セグメントごとの打ち手を導き出す流れを確認できる |
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②企業の「成長の壁」を突破する改革 顧客起点の経営

『企業の「成長の壁」を突破する改革 顧客起点の経営』は、200社を超える企業への助言経験をもとに、顧客理解を経営に組み込む方法を解説した書籍です。「顧客起点の経営構造」「顧客戦略(WHO & WHAT)」「5segsカスタマーダイナミクス」の3つのフレームワークを通じて、顧客の心理・多様性・変化を捉えます。
顧客分類ではTAM顧客数や5セグズ、さらにNPI(次回購買意向)を加えた9セグズを扱い、顧客の変化を継続的に捉える方法まで解説しています。
| 本書のメリット | ・顧客の多様性を前提とした顧客戦略の立て方を整理できる ・時間経過による顧客の変化を捉える視点を把握できる ・顧客分類を経営の意思決定に接続する考え方を理解できる |
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③マーケティングリサーチとデータ分析の基本

『マーケティングリサーチとデータ分析の基本』は、マーケティングリサーチとデータ分析の基本を初心者向けに解説した書籍です。検索・閲覧履歴や購買履歴など、身近に蓄積されるさまざまなデータを踏まえ、データとの向き合い方や分析の基本、ビジネスの意思決定に活用するための考え方を学べます。
実務で必要な手順とポイントを整理しているため、顧客を分類するためにどのようなデータを確認し分析につなげるかを整理したい場合に活用できます。
| 本書のメリット | ・分類に必要なデータを集める調査設計の基本を把握できる ・定量調査と定性調査の使い分けを理解できる ・仮説を立てて分析を施策につなげる手順を整理できる |
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(4)BtoBのセグメンテーション・ターゲット企業選定を学べる本2選
①事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践

『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』は、BtoBマーケティングの考え方と実践方法を解説した書籍です。BtoCとは異なるBtoB特有の特徴を踏まえながら、実際の企業例を参考にしたケーススタディを中心に構成されています。
BtoBマーケティングをこれから始める人や、自社の顧客獲得施策を見直したい人が、具体的なケースから実践方法を整理する際に有効です。
| 本書のメリット | ・BtoBで「誰に」を定めることの重要性を理解できる ・BtoC との購買構造の違いを踏まえた戦略設計を把握できる ・課題別のケーススタディから自社の状況に近い例を探せる |
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②究極のBtoBマーケティング ABM(アカウントベースドマーケティング)

『究極のBtoBマーケティング ABM(アカウントベースドマーケティング)』は、ABMの全体像と実践方法を解説した書籍です。ABMを「営業の視点で再設計されたマーケティング」と位置づけ、営業部門とマーケティング部門が連携し、ターゲット企業からの売上最大化を目指す考え方を扱っています。
従来のBtoBマーケティングとの違いから、ABMによる部門間連携の変化、実践の基盤となる「デマンドセンター」の要件まで解説されています。
| 本書のメリット | ・対象企業を先に絞り込むという発想の転換を理解できる ・営業とマーケティングが同じ基準で顧客を捉える方法を把握できる ・ABM導入に必要な体制と手順を確認できる |
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2.本で学んだセグメンテーションをBtoB・BtoCのマーケティングに活用する方法

セグメンテーションは、市場を細かく分けること自体が目的ではありません。分類した結果からターゲットを選び、施策の内容や訴求を変えて反応を検証するところまでを一連の流れとして進めることで、はじめて売上や商談数の変化として現れます。
ここでは、書籍で学んだ考え方を自社のマーケティングに接続するための進め方を、6つの段階に分けて解説します。
(1)セグメンテーションの目的と対象市場を明確にする
セグメンテーションを始める前に、次の手順で目的と対象市場を整理します。
- ・市場を分ける目的を決める
- ・対象とする市場の範囲を定める
- ・分析する顧客の単位を決める
新規顧客の獲得、購入単価や継続率の向上、離反防止など、目的によって必要な分類軸は異なります。次に、自社の商品・サービスを対象とする市場を定め、BtoBでは企業・事業所・部署、BtoCでは個人・世帯など、分析単位を決めます。
「何のために、どの市場の、誰を分類するのか」を明確にすることで、収集すべきデータや分類方法を選びやすくなります。
(2)自社・市場・競合の環境を分析する
対象市場を定めたら、セグメンテーションを行う前に、自社・市場・競合の状況を整理します。自社については、商品・サービスの特徴、価格、営業体制、販売チャネル、保有する顧客基盤などを確認し、強みと弱みを明確にします。
あわせて、市場では顧客ニーズや需要の変化、競合については提供商品・サービス、価格、訴求内容、対象顧客などを整理します。SWOT分析を用いる場合は、自社内部の強み・弱みと、外部環境の機会・脅威を分けて整理します。
環境分析によって、自社が価値を提供しやすい顧客や、競合との差を打ち出しやすい市場を把握できます。その内容を踏まえて顧客データや分類軸を選ぶことで、後工程のセグメンテーションやターゲット選定につなげます。
『SWOT分析のおすすめ本17選|初心者から実務担当者まで目的別に比較』もぜひご覧ください。
(3)分析に必要な顧客データを収集・整理する
まず、顧客属性、購買履歴、問い合わせ履歴、Webサイトの行動データなど、自社が保有する情報の種類と保存場所を確認します。次に、分析目的に必要な項目を選び、業種名や企業規模などの表記・分類基準を統一し、重複や欠損も整理します。
データの形式がそろっていないと、セグメントごとの正確な比較が難しくなります。保有データだけでは価値観や購入理由を把握できない場合は、アンケートや顧客インタビューを実施し、分類に必要な情報を補完します。
(4)BtoB・BtoCに適した分類軸で市場を分ける
分類軸は、BtoBとBtoCで用いる変数が異なります。自社がどちらの市場を対象としているかを踏まえ、施策の内容やニーズの違いが実際に現れる軸を選ぶことが前提となります。
| 対象 | 主な分類軸 | 具体例 |
| BtoC | 地理的変数 | 地域、都市規模、気候 |
| BtoC | 人口動態変数 | 年齢、性別、職業、所得、家族構成 |
| BtoC | 心理的変数 | ライフスタイル、価値観、性格 |
| BtoC | 行動変数 | 購買頻度、使用場面、ロイヤルティ、求めるベネフィット |
| BtoB | 企業属性 | 業種、企業規模、所在地、事業形態 |
| BtoB | 購買特性 | 購買方針、意思決定プロセス、導入状況 |
分類軸は多く設定すればよいものではありません。分けた結果、セグメントごとに打ち手が変わらないのであれば、その軸は施策上の意味を持たないため、選び直す必要があります。
(5)各セグメントの規模・成長性・到達可能性を評価する
市場を分けた後は、各セグメントを同じ基準で比較し、ターゲット候補としての優先順位を整理します。
評価する際は、次の3つの観点を確認します。
| 評価項目 | 確認する内容 |
| 規模 | 顧客数、市場規模、想定売上など |
| 成長性 | 市場や需要の推移、今後の拡大余地など |
| 到達可能性 | 広告、営業、流通チャネルなどで対象顧客へ接触できるか |
単に市場規模が大きいセグメントを選ぶのではなく、今後の成長余地や、自社が実際にアプローチできるかまで含めて判断します。たとえば、魅力的な市場でも既存の販路や営業体制では顧客に接触しにくい場合、施策の実行には追加の体制整備が必要です。
(6)ターゲットを選定してポジショニングを設計する
各セグメントを評価したら、自社が優先してアプローチするターゲットを選定します。市場規模や成長性に加え、自社の強み、商品・サービスとの適合性、営業体制や技術などの経営資源も踏まえて判断します。
次に、ターゲットが重視する価値と競合との違いを整理し、自社をどのような存在として認識してもらうかを設計します。そこで明確にした「選ばれる理由」を、商品・サービスの内容、価格、訴求メッセージ、販売・営業チャネルへ一貫して反映させます。
(7)施策を実行してセグメントごとの反応を検証する
ターゲットとポジショニングを定めたら、セグメントごとに施策を実行し、結果を比較できるように記録します。
検証では、目的に応じて確認する指標を設定します。
| 施策・目的 | 確認する指標の例 |
| 広告・コンテンツ | クリック数、問い合わせ数、資料請求数 |
| 営業 | 商談数、商談化率、受注数 |
| 購買・継続 | 購入率、顧客単価、継続率 |
成果が想定を下回った場合は、訴求内容やチャネルなど施策側に原因があるのか、分類軸やターゲット設定そのものを見直す必要があるのかを切り分けます。検証結果を次の施策に反映し、セグメントの分け方・ターゲット・施策内容を継続的に改善することで、実際の顧客反応に合ったマーケティングへ調整していきます。
3.まとめ
セグメンテーションの本は、基礎・4つの分類軸・顧客データ分析・BtoBという目的別に選ぶことで、自分の役割や検討段階に合った一冊を見つけやすくなります。読んだ内容は、目的の設定、データの整理、分類軸の選定、セグメントの評価、ターゲティングとポジショニング、施策の検証という流れに落とし込むことで、実際のマーケティング活動に結びつきます。
なお、設定したターゲットやポジショニングは、最終的に顧客が接するWebサイトの構成や訴求に反映されて成果につながります。誰に向けたサイトなのかが伝わりにくい状態であれば、サイト構成やコンテンツの見直しから着手する方法もあります。
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